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この度 奈良教育大学仮名書道研究室は 2期生と3期生による初めての実物を展示する書作展を開催する運びとなりました(2022年3月3日~6日 於マルルーム)
これは奈良教育大学のクラウドファンディング事業により 多くの方々にご支援をたまわり実現いたしました
心よりお礼申し上げます
また展示作品をここに公開させていただきます
まだまだ未熟ではございますが これから大きく成長できるように「つぼみ」をテーマに 練習に励んできました
ご高覧ご批評賜りますようお願い申し上げます
2022年3月 仮名書道研究室一同
会場風景
半切作品展示
展示準備
今回使用した料紙
半切作品展示
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各画像をクリックすると全体画像と筆者コメントが開きます
拝啓 仮名研のみんなへ
この作品には、仮名研のメンバーの名前を散りばめました。仮名研に所属して2年、コロナ禍で活動を制限された部分もありました。そんな中でも、仮名書道クイズをつくったり臨書動画を作成したりと様々な活動を行い、多くの経験をすることができました。ご指導いただいた北山先生はじめ、共に活動してきた仮名研メンバーへの想いを込めて制作しました。暖かみを表現したかったので、暖色の料紙を選びました。
秋の心
百人一首の中でも特に好きな秋の物悲しさを詠んだ歌を書きました。行の自然な傾きを生かし、流れのある作品にすることを意識しました。
春の宛
今年度のゼミ展の副題、「天使のはしご」は雲の切れ間から光が降り注いでいる気象現象のことを言います。そこからイメージをもらい、雲と光を表現した作品を創りました。雲は円み、光は直線的な雰囲気が出るように工夫しました。
うつせみの
「蝉の鳴くように私の声は外に漏れたのかな、森の露のような涙に濡れて干しきれない私の袖を人が尋ねるまでに」という意味の和歌を、水が滴ったような模様の緑色の料紙に書きました。二段構成で上下同じ行数なので、行間や高さに違いを持たせることを意識して書きました。
風のたより
「花の香りを風という手紙に添えて、鶯を誘い出す道案内として送るのだよ」という和歌の意味を表現したいと考え、右側から風が吹いているような構成を意識しました。中心の行が真っ直ぐになりすぎないよう注意し、字の傾きや位置を試行錯誤しました。
菜の花
与謝蕪村の俳句を書きました。「月は東に日は西に」という言葉があり、それをイメージした配置にするため、左下の集団から書き始めて、右上へ書く『返し書き』にしました。
さくらばな
春雨と人の涙とが儚く美しく詠まれており、別れの春としてこの歌を選びました。構成は「さくらばな」に自然と目が行くように、且つ主張しすぎないようにと意識をしました。春の淡いピンクと次の季節へ移るような青さが組み合わさった料紙により、更に素敵な作品ができたなと思います。
春のそら
春の空と花を読んだ歌を二首書きました。上段の「白雲の…」の和歌に詠まれた八重桜は複数の花びらが重なり合い綿雲のように咲く遅咲きの桜です。構成も雲の形をイメージしてきゅっとまとめた楕円形の構成にしました。下段の和歌は「故郷の花の盛りは過ぎてしまったが、美しかった様子が目に浮かんで消えない春の空である」といった意味の和歌で、私の地元では河津桜と言って二月上旬には咲き始める早咲きの桜が有名です。私が帰る頃にはもう散り始めてしまいますが、川辺に並んで咲き誇る河津桜はとてもきれいで、その情景を思い浮かべながらゆったりとした雰囲気で書きました。
鷺
河東碧梧桐の句を書きました。春のまだ浅い寒々とした景色の中、水を歩く鷺の様子を表した句です。下の集団を水に、上の集団を鷺に例えて表現しました。紙も、この句の情景に合いそうなものを選びました。
きちかうのはな
桔梗をみごとに詠みこんだ和歌を書きました。行間や行の長さにはあまり変化をつけず、動きも少なくして、筆圧の変化に集中してみました。また桔梗の花を描いて料紙を華やかにしました。
きみがため
友人の好きな和歌を書きました。こみ上げるような情熱を表現したくこのような構成にしました。流れるような、でも、絡み合うような、微妙な構成に挑戦しました。
龍田川
柔らかさの中にも力強い筆画を入れることを意識しました。作品に立体感を持たせるために潤渇の変化に気をつけて書きました。
天の羽衣
突然ですが、昨年公開された映画『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜ファイナル』という映画を知っていますか?私は、その映画内で語られていたかぐや姫のラストシーンの解釈にときめきました。映画を観たあと、その解釈が忘れられず、この部分を書きたい!と思い、今回、この作品を制作することを決めました。この作品を書くと決めてから、広陵町にある竹取公園や讃岐神社に行き、構成を考えました。かぐや姫を描き、金の円で月を表現しました。そして、竹のイメージから緑色の紙に書きました。
あをによし
卒業したら奈良を離れるため、奈良を詠んだ歌を書きたいと思いこの歌を選びました。柔らかさと鋭さの両方を感じてもらえるように、運筆の速度に気をつけて書きました。
我が戀も
「忍んできた私の恋心も今では顔に現れるようになってしまった、軒に生えている忍草も赤くなってしまった」という意味の和歌を、ピンクの紙に書きました。三段構成の作品を書いてみようと思い、この構成にしました。それぞれ傾きや書き始めの位置に注意して書きました。
春日野の
恋の歌を書きました。憧れていた、右から書き左上へと続く返し書きの構成にしました。潤渇や太細の変化、行の揺れを意識し、「春日野」や「君」を漢字にすることで紙面の充実感を出せるようにしました。
小林一茶の句
小林一茶の俳句から三種選んで書きました。
一つ一つ違う構成にしましたが、位置関係がなかなかうまくいかず苦労しました。柔らかさと伸びやかさを出すことを意識しました。
一つ一つ違う構成にしましたが、位置関係がなかなかうまくいかず苦労しました。柔らかさと伸びやかさを出すことを意識しました。
うめの香
梅の花の姿は見えないのに誰かの着物の袖に移った「うめの香」がするという情景が思い浮かぶような、梅の香りがしてくるような美しい歌です。
構成が行書きでシンプルな分、隣り合う墨の濃淡や潤滑での表現に悩みました。特に喝筆部分の線質は最後まで難しかったです。
構成が行書きでシンプルな分、隣り合う墨の濃淡や潤滑での表現に悩みました。特に喝筆部分の線質は最後まで難しかったです。
夜を詠む
夜を詠んだ歌を二首書きました。いつも心ともなく夜を連想する和歌ばかり選んで書いてしまうので、構成は今までやったことのないものに挑戦しようと思い、思い切って上段を調和体にしました。文字の大きさや行間のちょっとした広さの違いで下段の和歌とのバランスが悪くなってしまうので絶妙な文字の大きさと行間を見つけることに苦戦しました。
さくら
桜を詠んだ和歌を二首書きました。一首目の、「桜が散って空に波ができたよう」な景色をイメージした構成にしました。文字を桜に見立てて、真ん中こピンク色の部分に桜が茂り、水色の空の部分に桜が散っているようなイメージです。
春日山
春日山を詠みこんだ和歌により、春日山に霞がたなびくような光景をイメージして構成しました。茶墨を用いて、やわらかな雰囲気を目指しました。
You are my hero
ヒーローは輝きをくれる、そんな想いを表現するため、金色で書きました。
あなたにとってのヒーローはどんな人ですか?
私にとってのヒーローは笑顔が素敵な人です。どんな時でも、笑顔をみると元気が出ます。みたり会ったりすると勇気や元気をもらえる、心が癒される、そんな存在がいるって素敵ですよね。私もいつか誰かのヒーローになれたら良いなと思います。
あなたにとってのヒーローはどんな人ですか?
私にとってのヒーローは笑顔が素敵な人です。どんな時でも、笑顔をみると元気が出ます。みたり会ったりすると勇気や元気をもらえる、心が癒される、そんな存在がいるって素敵ですよね。私もいつか誰かのヒーローになれたら良いなと思います。
風のまにまに
二つの大きさの違う料紙を組み合わせて作品を構成しました。小さい作品ながらも充実感を持たせたいと思い、漢字を多く取り入れました。
桜貝
俳句から作品を創ったことがなかったので、最後の機会に挑戦してみました。和歌に比べて字数が少なく構成に苦労しましたが、料紙を桜の花びらの形に切ったり、漢字を使用したりと見応えのある作品に仕上がるように工夫しました。
月
万葉集から、「もしも私が夜空を渡る月であれば、あなたのところまで会いに行けるのに」という意味の和歌を書きました。黄色い料紙を丸く切り、お月さまをイメージしました。それぞれ、傾きに注意して書きました。
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